「姫羅! 水泳部に仮入部ってどういうこと?」



翌日。

水泳部の活動があることを告げた姫羅を見て、鈴は不思議そうに言った。



「水泳部に入るつもりなの?」


「いいえ。そのようなつもりは全くありませんわ」


「じゃあ、何で仮入部?」



さすがに、ここで乙戯花氏の名前を出すのはまずいですわね……――――


必死で言い訳を考えながら、姫羅が軽く首を傾げる。



「ダイエット……ですわ」


「は?」


「だから、ダイエット、……ですの」


「ふーん」


「あたくし、最近運動不足な気がしていまして……。水泳ならば、きっとバランス良く体を引き締められるはずですわ!そうです!」



我ながら厳しい言い訳だと思いながらも、姫羅は精一杯ごまかした。


そんな姫羅を見て、鈴が呆たような顔で溜息を落とす。