「勝兎、いかがです?」



「武田信玄の軍旗に書かれた言葉を利用されたのですね」



「えぇ、近年は歴史も流行っていますからね。

皆様の人気と、彼の力強さを上手く取り入れられる名案だとは思いませんか?」



「童話からの引用でないのは、乙戯花氏にしては珍しいですし、良い傾向だとも思いますが……

これでは説明が足りません」



「そうは言いましても、格好良いでしょう?」



「それはそうですが……。

“徐かなること話の如し”など、一般的に考えれば矛盾しています。普通、“話”とはうるさいものですから……」



「確かに……。

では、今回だけは小さく注を入れておく、というのはいかがでしょう? 次回から注はなし!

勝兎、良いですね?」



「……仕方がないですね。まぁ、次回があるとは思えませんが」



「……お黙り」