今思えば、
それまでなんで気付かなかったんだよって。


そんなふうに思えるくらい、
僕らの出会いは不思議だったね。










僕の後ろと、僕の隣。











すごく近くにいたはずなのに。



それぞれが繋がったのは夏も終わりに近付いた、
9月の午後の、昼下がり。



僕こそ授業なんて真面目に聞いてなかったけど、
2人もすごい冒険家だったね。



何を真剣に書いているのかと振り返れば絵を描いていたり、

隣を見ればケータイを堂々といじっていたり、

時には完全なお休みタイムで。




僕らは結構、あの時間を無駄にしてたね。




だってさ、もっと早くに話していれば、
もっと長くいられたのに。





「何書いてるの?」




そう聞かれたときに、
いつものような言葉が出てこなかったんだ。



だから咄嗟に言ってしまった。