『試合、見に来ないか?』
あんな事があっても
私の日常は、簡単に変わるものでもなくて
相変わらず、家でゴロゴロしていた私に
シュンは、声をかけた。
シュンがいる、運動場の見える
外階段の踊り場で、試合をみる
大きな声で、応援するシュン。
点を取られて、落ち込むシュン。
どんな姿も、今は愛しく思える……
小麦色の肌に、白い歯をのぞかせて
私に手を振るシュンは
いつもより、輝いてみえたーーーー
『信じてあげたら?』
あの母さんの言葉で
私は、背中を押されたのかもしれない……
結局、試合はボロ負けで
いいところを私に見せられなかったシュンは
私の足元で、ガックリ落ち込んだ
こんな時でも、空はキレイで
私の名前のように真っ青だった。
私は、タバコをくわえながら
キレイな空を見上げた。
母さんの好きだったあの曲を
自然と、口ずさんでいたんだ。
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「サオ?」
心配そうに私の顔を覗くシュンの瞳は
母さんと同じ、やさしい瞳で
まっすぐに、私だけを
みつめていた。