7月13日。
カウンセリング『2日目。』
「今日は、
テストを受けてもらいます。
君は、頭がすごくいいらしいね。
だから、少し難しい問題を
出します。」
吉野は、そう言ってテストを差し出した。
黙ってうけとる。
問題を見た私は
「時間は?」
と、聞いた。
テストは、国語と数学、それに英語。
見た様子では、問題は難しくなさそう……
「え~~っと、
解けるだけ解いてもらって、
簡単なようだったら
別の問題もあるから……。」
私は、手にもったテストをペラペラと
めくり、吉野に言った。
「全部の問題、今もらっていい?」
吉野は、戸惑っている……
「この問題、簡単すぎる……
大学の入試問題でも、私解けるよ……」
吉野は、驚いた様子だったけど…
「じゃあ、
とりあえず、やってもらっていいかな?
その間に、準備しておくから……」
「わかった。」
そして私は、シャーペンをもった。
結局、吉野が用意したすべてのテストは
4時間目が終わる頃には、解き終わった……
それを聞いた先生達の驚きの声が
廊下から、ひそひそと聞こえていた……
こんなに早く終わると
思っていなかったらしく……
吉野は、すまなそうに言った。
「え~~、
今日やることは、もうない。
教室に戻るかな?」
私は、吉野の目を見て言った。
「疲れた。帰っていい?」
「そうだね……。
先生方に聞いてくるから
ちょっと、待っててくれるかな?」
そう言って、ドアを開けて出て行った。
戻ってきた吉野は、
「今日は、もういいそうです。」
と、言った。
その言葉に私は、ガハンを背負って
「明日で、3日。
そろそろ気づいたんじゃない?」
そう言ったら吉野は下をむいた……