7月7日。



三者面談の日。



頭のいい私には、関係ないんだけど…



とりあえず、やらなきゃいけないらしい……



当然、父さんがやって来た。



廊下に並ぶ椅子に、ならんで座る。



「久しぶりだな。」



他人行儀なお父さん。



「ばーちゃん、
お前に会いたがっていたぞ。
今度、一緒に行こうな。」



私は、父さんの顔を見ずに答える。



「ばーちゃんが、
喋れなくなってからしか
行かないから。」



「………………」


「………………」



私は、ばーちゃんが嫌い。
親が離婚してから、しばらくは
会っていたけど…
口を開けば、母さんの悪口。
汚い言葉ばかり……




『あの女が、居なくなって良かった……』


『私は、あの女が嫌いだった……』



そんな、ばーちゃんの
言葉を聞きたくなくて
だから私は、ばーちゃんに
会いたくなかった……



先生の呼ぶ声に、私と父さんは
教室の中へと移った。



「サオさんは、
成績に感しては、何も問題ありません。」



先生の言葉に、頷く父さん。



「しかし、
授業態度、発言などに
少し問題があります。
他の先生方からも、いろいろと
声が上がっておりまして……』



父さんの顔が、ひきつった。



『そこで、
来週からしばらく
スクールカウンセラーの先生に会って
カウンセリングを受けて貰いたいと
思っているのですが……』



ゆっくりと私の顔をみる父さん。



私は、ニヤッと笑って言った。



「ふ~ん。
おもしろくない授業サボれるんだ~♪」



私の言葉を聞いた、父さんは



「お願いします。」



と、深く頭を下げた……。