6月25日。
昨日、赤音に誘われた。
街へ、くり出すらしい…
シュンに罪悪感を感じていた私は
気分転換にその誘いに乗った……
バスを降りてすぐ
雑貨屋や、服屋がならぶ
ショッピングモールに足を向けた。
相変わらず、うるさい銀バエ達の声を
聞きながら歩く……
入口のところで、ベンチに座って
タバコを吸う女の人がいる。
髪が長く、手には携帯を持って
何かをしている……
私達は、彼女の煙のカーテンを
くぐって、中へと進んだ。
銀バエ達は、いつもと変わらず
ワーワー、キャーキャー言いながら歩く。
私もとりあえず、その中に
混じって話すが、おもしろくない……
「ねー♪プリクラ撮ろう!」
誰かの言葉に、ゲーセンへと向かった。
ここでも、キャーキャーいいながら
騒いでいる……
なんとか撮り終え、次へと
向かおうとした時。
「ね~、
ねーちゃん達、暇なの?
俺らと、遊ぼうよ~♪」
と、誰かが私の腕を掴んだ。
掴まれた手の先には
見るからに不良の方が三人。
「放して下さいっ!」
そう言う私に、さらに力強く握った。
「え~~、
いいじゃん。遊ぼうよ!」
何度も、引っ張りあいをしても
放す様子がない。
赤音達も、同じ感じだった……
諦めて、引っ張られると
どこからか別の手が出てきて……
私の腕をガシッと掴んだ。
えっ…と見上げると
さっきの女の人。
「あんた、こいつらと
遊びに行きたいの?」
その言葉に、私は首を振る。
「遊ばないんだって。
手、放せよ!!」
「うるせ~な、オバサンはどっか行けよ!」
まくし立てる不良。
「ハァっ??」
と、睨む女の人に
びびったらしい不良は
パッと手を放した。
女の人は、私達に向きなおすと
「あんたら、
親に教えてもらわなかった?
変なヤツに合ったら、
【イカくせぇー】
って言って、逃げろって!」
「……………」
「……………」
はぁ~~っと
深いため息をはいて私は言った。
「それ
【イカのおすし】の事?」
「あれ??そうだった?
ま~~とりあえず、デカイ声出して
逃げれって事。
それに、こいつらお前達みたいな
ガキ相手に盛ってんだから
イカくせぇのは、当たってんじゃん!」
は~~っ、2度目のため息。
「それそいつら前にして、言う事か?」
「ハハハハハハっ、それもそうだね!」
「おいっ!オバサン。
いい加減にしろよ!!」
不良は、女の人に蹴りを入れた……
次の瞬間。
ボコッ
バキッ
ガンッ
女の人は、不良を片付けた……
びっくりした、ほかの不良は
後退りしている……
その不良達にむかって女は
「オイッ!!
ポイ捨てすんなよ。
ゴミ拾ってけっ!!」
そう言って、倒れている不良に
蹴りを入れた……
あわてて、倒れたヤツを担ぎ上げ
不良達は、去って行った。
「ゴメンねぇ、
これで目ぇつけられると思うから
しばらく、ここにこないでね。」
そう言って笑った。
立ち去ろうとする女の人。
振り返り
「ねぇ?幸せ?楽しい?」
そう聞いた。
私はーーー
口の端を持ち上げて笑ったんだ……。