なんとか、自分を落ち着かせて
教室へ戻ってきた。
そんな私に、ニコッと微笑むシュン。
まっすぐ私を見つめるシュンに
やっぱりアレは嘘、なんて言える訳もなく
いつもの無表情で、席につく。
後ろからの視線を感じながら
放課後まで、なんとかガマンした……
当たり前のように、
帰る支度をして
後ろの席のシュンに向く。
「シュン。また、明日ね。」
普通のカップルなら一緒に
帰ろうとするんだと思うけど……
今の私には、無理。
学校から早く出たかった
「おうっ……。」
そう言ってシュンは、部活のカバンを
肩にかけた。
シュンは野球部で、放課後は
いつも部活だった。
それが今の私には、救いだった。