『ねぇ、サオ。
いつもくだらない。つまんない。って、
思ってない?
サオはね、人より多くの事を知ってる。
けどね、まだ知らない事も
たくさんあるのよ。
もっと、色んな事に興味を持ったら?
例えば、そうね……誰かを好きになって
告白するとか。』



離婚したあんたが言うか?なんて思ったけど
いつもより話す、母さんの言葉を
私は、黙って聞いていたんだ……



『男の子ってね、いつもとは違った
ドキドキを感じると、好きかもしれないって
思うのよ。だからね、急に顔を近づけて
みたり、いつもと変わった事をするの……』



私は、戸惑うシュンの机に頬杖をついた。
自然と顔が近く



恥ずかしいのか。シュンは
頬を赤くした。



『そんな時に「好き。」って言われると
やっぱり、自分も好きかも。って思うの……』



     「好き。」



私は何故だか、わかんないけど
口に出していた



『でもね、そう言われてもまだ
半信半疑なのね。だから、もう一押し
「私の事、好き?」って自分から聞くの……』



     「えっ………?」


戸惑うシュンに、私はまた自然と
口を開いていたんだ……


     「私の事、好き?」


シュンは、目を一瞬大きく開いて
考えていた



そして



     「好き……かも…。」



そう、言った……