───えっ!?


ノックしようとした手は、その場で固まったまま……


「おっと……」


「ご、ごめんなさいっ!」


部屋から出てきた人物に気づいて、思わず謝った。


「いや、こちらこそ悪かったね」


魁さんの部屋から出てきたのは、今まで診察をしていたお医者様で。

ちょっと、サンタクロースに似ているその先生は


「彼の様子を見に来たのかい?」


部屋にお医者様が居た事を、すっかり忘れていた私ににこりと微笑んだ。


「は、はい……」


固まったままだった手を下ろして、小さく答えれば


「今、ちょうど点滴を終えて眠ったところだよ」


「……そうですか」


残念な答えが返ってきた。