指輪が二人に見えるように私の手を取って、マーク兄さんに微笑んでいる魁さんと、それを見て目元がピクピクしているマーク兄さん。

アル兄さんに関して言えば、マーク兄さんの後ろから、嘘だろ? って顔をして魁さんと指輪を交互に見ていた。


───ど、どどどどどどうしようっ!!!


マーク兄さんが、怒ってる!

今にも、魁さんを射殺しちゃいそうなオーラを放っているマーク兄さんをなんとかしなきゃいけないのはわかっているけど……

この空気、どうしたらいいの!?


「あの…マーク兄さん? これは、えーっと……」


取り敢えず、マーク兄さんを落ち着かせようと声を掛けてみたけれど、その言葉の先が出てこない。

だって、マーク兄さんに何て説明すればいいの?


「…………」


───ダメだ……


完全にフリーズしている私の頭では、何も浮かんでこない。