マーク兄さんの目配せで前に出てきたボディーガードは、魁さんに替わってお婆様を拘束すると、マーク兄さんの正面に向かせた。
握り締めていたお婆様の手首をすんなり離した魁さんは、自由になった手で私を落ち着かせるように頭を撫でてくれる。
その優しい感触に、少し落ち着いてきたと思ったのも束の間。
「それに……」
続くマーク兄さんの言葉に、頭が真っ白になった。
「こんな女を使ってまで、マリアを傷つけるなんて!!」
「きゃっ!!」
そう言って、ボディーガードに取り押さえられていた先輩をお婆様の前に引き摺り出すと、私を睨んでいた先輩は力無く地面に崩れ落ちる。
───今……マーク兄さんは何て言ったの?
「……っ…!!」
「ミシェル様っ……」
先輩は雪の上に崩れ落ちたまま、必死にお婆様の名前を呼ぶ。
「魁の話を聞いた時は信じられなかったが、まさかここまでとは……」
その様子を蔑むように見ていたマーク兄さんは、言葉を発しながらお婆様に鋭い視線を向けた。

