Wonderful DaysⅡ



マーク兄さんの目配せで前に出てきたボディーガードは、魁さんに替わってお婆様を拘束すると、マーク兄さんの正面に向かせた。


握り締めていたお婆様の手首をすんなり離した魁さんは、自由になった手で私を落ち着かせるように頭を撫でてくれる。

その優しい感触に、少し落ち着いてきたと思ったのも束の間。


「それに……」


続くマーク兄さんの言葉に、頭が真っ白になった。


「こんな女を使ってまで、マリアを傷つけるなんて!!」


「きゃっ!!」


そう言って、ボディーガードに取り押さえられていた先輩をお婆様の前に引き摺り出すと、私を睨んでいた先輩は力無く地面に崩れ落ちる。


───今……マーク兄さんは何て言ったの?


「……っ…!!」


「ミシェル様っ……」


先輩は雪の上に崩れ落ちたまま、必死にお婆様の名前を呼ぶ。


「魁の話を聞いた時は信じられなかったが、まさかここまでとは……」


その様子を蔑むように見ていたマーク兄さんは、言葉を発しながらお婆様に鋭い視線を向けた。