Wonderful DaysⅡ



「でも……」


ランスロットさんは帰っても構わないと言ってくれたけど……

このままじゃ、私は一生、彼女から逃げなくてはならなくなる。

今は、私一人じゃない。

此処には、マーク兄さん達も皆いるんだから大丈夫……

両手を握り締めて、そう自分に言い聞かせる。


「大丈夫です。その代わり…礼拝が始まるギリギリまでは、外で散歩していてもいいですか?」


私の意志を伝えれば


「畏まりました。では、マーク様にはそのようにお伝えしておきます」


了承の返事をしたランスロットさんは、胸ポケットに入れてあったスマホを取り出す。


「ありがとうございます」


スマホを耳に当てたランスロットさんに、お礼を言ってから寺院の前にある公園へと足を向けた。