「いつから……気づいていたんですか?」
「マリア様がお席に着いて5分ほどしてから、聖堂に入って来られました」
「そうですか……」
私よりも先に気づいてたんだ。
「そんなお顔をなさらなくとも、決して以前のような事にはなりませんのでご安心下さい」
私の顔を見て、困ったように眉間を寄せるランスロットさん。
そんなに、変な顔をしているのだろうか……
確かに、厳粛な場で先輩が何かをしてくるとも思えないけれど、私の体があの場に居ることを拒否していた。
「…………」
ランスロットさんの言葉に、無言でいれば
「ミサには参加なさらずに、お帰りになられますか?」
「え?」
今日は、ランスロットさんの口から予想外の言葉がポンポンと飛び出してくる。
そして、驚く私を見据えると……
「お帰りになられても構いませんよ。マーク様もシーモア様が入って来られた事に、お気付きですから」
「マーク兄さんも?」
「はい」
更に驚く発言をしてきた。

