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「……………………」
「……………………」
二人がいなくなったこの部屋には、重苦しい空気が立ち込めていた。
そんな中、アルの大袈裟なまでの溜め息が耳に届いたが、それを無視して自分の手元に視線を落とす。
今回だけは、絶対の自信があった。
あったのに……
負けるはずのない勝負で、なぜ負けた?
再び繰り返す自問は、一向に答えが出てこない。
今更なにを言っても無駄なことは分かっているが………
後悔の念に駆られ、今度は俺の口から溜め息が零れる。
「どうぞ」
そんな俺の前に置かれたのは、新しい紅茶で。
「……………………」
カカオのチョコレートのような甘い香りと、アイリッシュウィスキーの香りがふわりと鼻腔を蕩かす。
賭けで負けた時にだけランスロットが淹れる、ロンネフェルトのアイリッシュモルト。
普段ならば、絶対に美味しいはずの最高級茶なのだが……。
敗北続きの俺には、負けた悔しさと苦々しさしか残らない。

