───数十分後───
リビングに姿を現したのは、勝ち誇った顔の魁と
「マーク兄さん、アル兄さん、おはよう」
すっかり身支度を整えて、笑顔で挨拶をしてくる妹だった。
「……おはよう」
挨拶を返す声は小さく、マリアに向けた笑顔は不自然に引き攣っていたと思う。
隣のソファーに座っているアルが「嘘だろ!?」って顔で、マリアと魁を交互に見た後、俺に視線を向けてくるが……
……そんな顔で、俺を見るんじゃない!
その視線は間違い無く、賭けに負けた俺を責めていた。
魁の顔を凝視してみるが、痛みに耐えているような表情は見せていないし、殴られたり蹴られたりしたような痣も顔には無い。
「約束ですからね」
爽やかすぎる笑顔を向けてくる魁に
「……分かっている」
なんとか絞り出した声は、悔しさを滲ませるものだった。

