Wonderful DaysⅡ



「───確かに、賭けるモノを決めてなかったな」


「はい」


俺の言葉に頷く魁。


なんで、賭けるモノを決めずに魁と勝負などしたのだろうか。

あぁ、あの時の自分を呪ってやりたい。


まさか、ここでそれを持ち出されるとは思わなかったが……

相変わらず有無を言わせぬ笑みを浮かべる魁に、これ以上の隙を与えるのは癪だった。




「……………………」


なんとか魁とマリアのデートを阻止できないかと、思考を巡らせていれば


「兄さん?」


俺の様子を伺ってくるアルに声を掛けられて、ある賭けを思いつく。

ここ最近は、悉く敗北を喫しているが……

この賭けならば、絶対に負けるはずがない。


“今度こそ”

そう確信して


「なんでもない」


アルに向けて言葉を発した俺の口端は、きっと歪んでいたに違いない。