「ありがとうございます」
そんな俺の返事にホッと息を吐く魁に
「早く治せよ?」
もう一度声を掛けて、今度こそ部屋を後にした。
ダイニングに戻り、アルの手当てを終えて紅茶の準備を始めたランスロット。
「朝食は、マリアと魁が起きてからでいい」
温かい湯気が立ち上る紅茶を差し出された時、目の前の彼にそう伝えれば
「では、お二人が来られてから皆様で朝食ということでよろしいでしょうか?」
「あぁ、そうしてくれ」
「畏まりました」
俺の返事を確認した後、頭を下げて厨房へ向かって行く。
その姿を視界の端に映し、アッサムの甘い芳醇な香りを放つティーカップへと手を伸ばす。
「……で、魁とあんな約束して良かったの?」
その香りを楽しみながらミルクティーを飲んでいれば、向かいのソファーに座るアルが怪訝な表情を浮かべてこちらを見ていた。

