「……くはっ!」
瞬間、苦しそうな呻き声を上げて倒れ込むアル。
───あれは、相当痛いな。
その姿が過去の自分に重なって見えて、思わず青褪めた。
「魁……マリアを離すなよ?」
「……了解です」
魁に指示しながら視線を向ければ、既に何事も無かったかのように寝息を立てていたマリア。
「………………」
もしかしたら、寝起きの悪さが少しは改善しているんじゃないかと淡い期待を抱いていたのだが……
痛む鳩尾を押さえながら歩いてくるアルを見ると、近づかなくて正解だった。
「やはり、お前も避けられなかったか……」
横に立つ、痛々しい弟に声を掛ければ
「……もしかして、兄さんも……?」
「………………」
伺うように尋ねられて、視線だけを返す。

