───ディナー?
そうだった。
「えっと……それが……」
「ん?」
口篭る私に、優しく微笑んで聞いてくれるマーク兄さんには言い辛いけれど
「私、全っ然お腹空いてないの……」
何とか、声を出す。
「……は?」
私の言葉に、きょとんとしていたマーク兄さん。
「あのね? さっき、アフタヌーンティーのケーキを食べたばかりでね? 量が多過ぎて、今は苦しいくらいなの……」
「……じゃあ、ディナーは?」
「もう、お腹に入りません」
「「……………………」」
口をあんぐりと開けて呆然とした兄二人と、苦笑いで私を見ている魁さん。
「食べ過ぎちゃって、ごめんね?」
せっかく此処まで来てくれた兄さん達に謝れば
「───魁……」
「すみません。此処のアフタヌーンティーの量は、想定外でした」
恨めしそうに、魁さんに視線を向けたマーク兄さん。

