Wonderful DaysⅡ







真綿に包まれるように抱きしめられて、ほぅ……と小さく息を吐いた。

心地良い腕の中。
その温もりに安心感を覚えるようになってから、まだ日は浅いけれど。

日毎に、その想いは強くなっていく。



「そろそろ、行くか」


「……はい」


優しく頬に触れてくる、魁さんの指先を感じながら答える。


「あの人を待たせると、後が怖いからな」


くすくすと笑っている魁さんは、なんだかとっても楽しそうで。

自然と指を絡ませて、兄さん達の待つホテルの入り口へと向かう。


───夢のようなデートだったな……


後ろ髪を引かれる思いで振り返ってみれば、センスよく飾られているキャンドルライトが、心を彩ってゆくように輝いていた。


「また、来よう」


「はい!」


魁さんに声を掛けられて、迷う事無く返事をする。

肩越しに向けられた眼差しは、とても穏やかだった。