Wonderful DaysⅡ






私が落ち着くまで、何も言わずに髪を撫でてくれていた魁さん。

その手の感触が心地良くて、広い胸に頭を預けて瞼を閉じた。

どくんどくんと伝わってくる力強い鼓動と、ふわりと香ってきた魁さんの匂いが私を安心させてくれる。




凍てつく寒さを遮るように包まれてから、どれほど経っただろうか。

腕の力が弱まって、魁さんが微かに動いた気がした。

泣きはらして重くなった瞼を持ち上げて、そっと様子を伺ってみれば


「魁さん……?」


じっと私を見下ろしている魁さんと視線が絡んだ。


心を射抜かれるようなその眼差しに、微動だにできずにいると


「マリア」


私の名前を呼ぶ魁さんの声が、鼓膜を甘く震わせた。


「……はい」


再び忙しなく動き出す心臓がバクバクと音を立てて、返事をした自分の声が遠くで聞こえる。


「……………………」


何も言わずに、スッと差し出されたのは、手のひらサイズの小さな黒い箱で。


「え……?」


左右に開いた箱の中には、キャンドルライトに照らされて光り輝く指輪が入っていた。