Wonderful DaysⅡ




抱き寄せていた私の体を、少しだけ離すと


「礼を言うのは、俺の方だ」


「……え?」


「5年間、何の連絡も出来ずにいた俺を待っていてくれたんだからな」


「魁さん……」


眉尻を下げて話す魁さんは、私の顔を両手で押さえて固定する。


「マリア」


「……はい」


「ずっと待っていてくれて、ありがとう」


「……っ……」


魁さんの言葉を聞いた瞬間、息が止まるかと思った。


瞳を細めて見つめてくる眼差しは、どこまでも優しくて。


「───マリア」


名前を呼ばれる度に、胸の奥が熱くなる。


次第に視界は滲み、瞳からぽろぽろと零れ落ちていく涙が止まらない。

ぼやける視界の中、近づいてくるダークブラウンの瞳に、自然と瞼を閉じた。


唇に感じたのは、羽のようにやわらかい感触。

触れるだけの口づけを落とした魁さんは


「泣くなよ……」


困ったように呟いて、そっと私の涙を拭ってくれるけど、もう自分の意思で涙を止める事は出来なかった……