「か、魁さんっ!!」
公衆の面前で抱きしめられて、心臓が暴れだす。
じたばたともがいてみたけれど、長い腕に腰を捕まれて完全に動けなくなった。
「───やっと……」
「え……?」
「やっと、触れられる距離まできたんだ……」
不意に聞こえてきた、頭上からの呟き。
それは、絞り出すような声で。
ハッとして勢いよく見上げれば、私を真っ直ぐに見つめてくるダークブラウンと視線が絡む。
「5年間。マークさんに認めてもらえるようになるまで、お前に会うのをずっと我慢していたんだ。これが夢だったら、俺狂うぞ」
「……っ……」
───『狂う』
魁さんの表情から、その言葉が冗談ではないと伝わってくる。

