Wonderful DaysⅡ



『Hello.』


やっと繋がった相手に、ホッと息を吐く。


「インフルエンザで、寝込んでいるそうだな?」


『…………』


案の定、呆気なく目的の人物との会話に成功したのだが……

連絡がつかなかった理由が、“それ”と言うのが引っ掛かる。


───慧のヤツ……あれほどマリアとアイツを近づけるなと言ったのに!!!


最後に見た、慧の引き攣った笑顔を思い出す。

忠告を簡単に無視した慧には腹が立ったが、今はそれどころではなくて。


「ちょっと、お前に聞きたい事があるんだ」


『……聞きたい事?』


熱のせいなのか、魁の声は反応が鈍い。


「ここ最近、マリアに変わった様子は無かったか?」


『………………』


「魁、どうなんだ!?」


無言になってしまった魁に、確かめるように問いただせば


『様子が、変なのか?』


先ほどまでの鈍かった反応が嘘のように、低くなった声は鋭い。