建物の外に出た瞬間、5年前のあの日に戻ってしまったんじゃないかと思った。
いつの間にか、すっかり日は落ちていて。
暗闇の中、雪で白く染まる中庭は、あの日と同じイルミネーションで飾られていた。
「嘘みたい……」
だって、さっき此処を通った時は、まったく違うイルミネーションで飾り付けられていたはずなのに。
あれだけの短時間で、この飾り付けに変えるのは、相当大変だったんじゃないだろうか……?
魁さんも「無理を言った」って言ってたし。
「これの為に、ずっと外に?」
私の手を引いて、前を歩く魁さんに視線を向ければ
「流石に、あの日限定のイルミネーションを覚えていたのは、総支配人だけだったから手間取ってたんだよ」
「え……あの日限定?」
行き過ぎるイルミネーションを懐かしそうに見ながら、驚きの事実を伝えてくる。

