く、苦しい……
あれから、只管口に運び続けたものの、食べ切れるはずもなく……
案の定、お皿の上にはまだ三分の一ほど残っているケーキ。
───もう、限界……
なんとか頑張ってここまで食べたけれど、これ以上は喉を通らないどころか、手にしているフォークが口へと進まない。
「無理して食わなくてもいいんだぞ?」
そんな私を心配そうに見ながら、声を掛けてきた目の前に座っているお方は、あれだけあったスリー・ティアを空にして優雅に紅茶を飲んでいた。
「………………」
この間も思ったけど、あの細い体のどこに入るのだろうか。
「マリア?」
「でも……」
無理して食べなくてもいいと言ってくれている魁さんだけど……
まだ小さかった頃、好き嫌いが多かった私は、よくご飯を残してお母さんに怒られていた。
『ご飯を残すと、“勿体無いおばけ”が出てくるのよ!』
流石に、この年になってまで“勿体無いおばけ”が出るとは思わないけれど、どうしても出されたものを残す事に抵抗がある。

