マーク兄さんに無断で屋敷を抜け出したりしたら、絶対に出されるであろう『捜索願』。 魁さんは誘拐犯にされて、それこそイギリス中の警察と鬼ごっこをする羽目になる。 そんなゾッとすような状況を想像していれば、片方の絡めた指を解いて後頭部に回った大きな手。 もう片方の絡めたままの手を引かれて体を起こされた。 「だから、マークさんの気が変わらないうちに出るぞ」 ちゅっと触れるだけのキスをして、優しく微笑む魁さん。 その笑顔に釘付けになっている私には「はい」と答えるのが精一杯だった。