「ほら、行くぞ?」
握られた手を見たまま動かない私に声を掛けると、繋いだ手を引いて歩き出す魁さん。
つられるように出た足で後について行くけれど、縺れた足が石畳に躓いて体勢が崩れる。
「うわっ!」
転んじゃう!と思った瞬間、繋いだ手を引き寄せられて思わず魁さんの体にしがみついた。
転ばないで済んだ事にホッとしたけれど、街のド真ん中ですっ転びそうになるなんて恥ずかし過ぎる。
「大丈夫か?」
「は、はい……」
「ホント、危なっかしいな」
頭上から落ちてくる声に視線を向ければ、楽しそうに笑う魁さんが見えた。
「す、すみません……」
謝って離れようとすれば
「此処で転んで怪我したら、デート出来ねぇぞ」
いつの間にか回されていた手で腰を引き寄せると、ちゅっと額に口付けを落としてくる。

