「アル兄さん、ごめんなさい!!」
ダイニングルームに入って開口一番、アル兄さんに謝った。
あの後、急いで自分の部屋に戻って身支度を整えてから、部屋の外で待っていてくれた魁さんとダイニングルームまでやって来たのだけど……
ガバッと勢いよく頭を下げれば
「どうしたの、マリア!?」
驚いたように目を見開くアル兄さん。
「私、寝惚けてアル兄さんの事を殴っちゃったんでしょう!?」
「……な、何の事かな?」
私の言葉を聞いて、とぼけるアル兄さんだったけれど……
襟元からは湿布がはっきりと見えていて、ダイニングには湿布独特のにおいがこもっていた。
「……肩の湿布が見えているぞ、アル」
「はぁーっ」と深い溜め息を吐いたマーク兄さんが、目を泳がせるアル兄さんに指摘する。
「えっ!? あっ、これは……」
慌てて襟元を手繰り寄せて、湿布を隠したアル兄さんだったけど。
まだ、見えてるよ。アル兄さん……

