その手は優しくて、言葉は無くても大丈夫だと言ってくれているようで。 「ほら。支度して、ダイニングに行くぞ」 私の気持ちを軽くしてくれるように誘ってくる魁さんに、視界が滲んできた。 「…………はい」 もう一度、頭をポンポンされたのを合図に、私を閉じ込めていた腕を解いた魁さん。 自由になったその手で、滲んだ視界を乱暴に擦る。 「私、着替えてきます!」 どっちにしても、昨日の服のままじゃ兄さん達に会う事は出来ないから、慌ててベッドから降りて魁さんに振り向けば「あぁ」と笑顔で答えてくれた。