そもそも、俺や兄さんにマリアの拳を避けるだけの身体能力は備わって無い。
当たり前だ。
俺達だって柔道やテコンドーなどの、ある程度の護身術は習ってはいるけれど。
マリアが習っていたような、本格的な護身術には歯が立たない。
マリアに、強制的に護身術を習わせたのは兄さんだった。
あの女共に虐められて、ボロボロになったマリア。
違うスクールに通っていれば、どうしても俺達の目は届かない。
この先の事も考えれば、ボディーガードを付けるよりもマリア本人に護身術を習わせるのが一番だと考えて、システマというロシア軍隊の実践的な格闘術道場へ入れた。
まぁ、此処にはグレゴリーやアーロン達もいたから安心していたのだが……
俺達の想像を、遥かに上回る護身術を身につけてしまったマリア。
その能力は、ロシア軍隊に所属していたアーロンに「身体能力に長けていて、本当に凄いです」と言わしめたほどだ。

