「この状態で、眠れって方が無理です……」
そう答えて、小さく息を吐く魁の目の下には、薄っすらとクマが出来ていて。
その様子から、きっと一睡も出来なかったに違いない……
同じベッドで愛する女と一夜を共にして、よく手を出さなかったもんだと同じ男として感心する。
だが……
「誰のせいだよ。誰の」
大体、何でこんな状況になったのか。
「俺……ですかね」
そう言って、フッと笑みを見せた魁は腕の中に納まっているマリアへと視線を向けた。
「お前以外に、いないだろ」
声を大にして言いたいところだ。
全くと言っていいほど男に免疫が無いマリアに、こんな大胆な事が出来るとは、とても思えない。
それもこれも、俺と兄さんで男が寄り付かないように周りを固めていたのだから、当然の事なんだが……
後にも先にも、マリアに近づく隙を与えてしまったのはコイツだけだ。

