「………………」
───う、嘘だろ!?
まさか、この屋敷で……
兄さんや俺の目があるこの屋敷で、魁がマリアに手を出すなんて信じられなかった。
「……おい!」
兄さんよりも早く動いていたのは、俺の方だった。
ベッドサイドに駆け寄って、上掛けを勢いよく捲れば……
確かに、魁の腕に抱かれてスヤスヤと眠る我が妹の姿があった。
「…………あれ?」
だけど、俺が想像していたような姿ではなく……
ちょっと拍子抜けした俺の口からは、間抜けな声が零れる。
「ちゃんと、服着てる……?」
「───当たり前でしょう」
そんな俺の耳に届いた呆れたような声は、マリアと共に眠っていると思っていた魁で。
「何だ。お前は、起きてたのかよ」
ちらりと視線を向ければ、切れ長のダークブラウンの瞳が俺の姿を捉えていた。

