◇
(side:アルバート)
「いてて……」
痛む肩にシップを貼ってもらっていれば
「……情けない」
目の前のソファーに凭れる兄さんの口から、溜め息と共に零れた呟き。
それにカチンときて、ジト目で見れば
「何だ。怪我をしただけで、マリアを連れ出せなかったのはお前だろう」
自分は関係無いかのように言う。
「………………」
“なら、兄さんが連れ出せばよかったじゃないか!”
そう言いたいのを、グッと堪えた。
あの後……
リビングから出て行った兄さんの後を追い掛けて、魁の部屋へと向かった俺とランスロット。
二階の階段を昇りきった所で、兄さんが魁の部屋に消えて行くのが見えた。

