……あれ? 何で?
絶対に何か言われるかと思っていたのに。
呆然と、ランスロットさんが出て行った扉を見ていれば
「───いつまで、見てるんだよ」
なぜか不機嫌になった魁さんの声が上から落ちてきた。
「え?」
同時に顎を掴まれて、強制的に上を向かされる。
グキッと音を立てた首が、地味に痛いんですけど。
ゆるゆると視線を上げていけば、いつの間にか魁さんの顔が目の前にあって。
え?と思った時には、ちゅっと音を立てて離れていた唇。
わっ! また、魁さんとキスしちゃった……
真っ赤になりっぱなしの私の顔を、ダークブラウンの瞳に映している魁さんは、なんだか楽しそうで。
このままじゃ、間違いなく逆上せて鼻血が出ちゃうよ!
本気でそう思ったけれど……
そんな心配は、魁さんの一言で見事に打ち消された。

