誰が入って来るにしても、取り敢えず魁さんから離れた方がいいと判断した私は素早く動こうとした。 動こうとしたのに…… 力の限り、必死に魁さんの胸を押しているのに、身動ぎしようとする体はぴくりとも動かない。 ───何で、離してくれないの!? 慌てる私を余所に、抱きしめている腕に力を込めた魁さん。 ……あぁ、もうダメだ。 開かれた部屋の入り口に人の気配を感じて、離れるのを諦めた私は脱力したまま魁さんに身を預けた。