「な?」
触れた手に伝わってくるのは、程よい温もり。
魁さんの言うとおり熱は下がっていて、返事をする代わりにこくりと頷いた。
「…………よかった」
熱が下がった事にホッとしたのも束の間。
間近で見る魁さんの目の下には、薄っすらとクマが出来ていて。
「あ……でも、目の下にクマができちゃってますね」
額に当てていた手を目の下に移動させて、そっと指先でなぞれば、なぜか眉間を寄せる魁さん。
え? 私、今、変な事言ってないよね?
「───誰のせいで、眠れなかったと思ってるんだ」
ぼそりと呟いた低い声は、扉をノックする音に掻き消されて、私の耳には届かなかった。

