Wonderful DaysⅡ



まだ熱が高いのか、そこにいつもの鋭さはなく、ぼんやりと私を見上げている魁さん。


「お、起きていたんですか!?」


慌てて前髪に触れていた手を引けば


「……お前の独り言、でか過ぎ」


掠れた声で苦笑いを浮かべる魁さん。


「……で?」


「え?」


先を促す魁さんだけど、意味が分からず首を傾げれば


「何が、不公平なんだよ?」


どうやら、さっきの私の心の声の事を言っているらしい。

まさか「自分が寝込んでいた時の死人顔と、魁さんの寝顔を比べていました」なんて恥ずかしい事は言えない……


「あー、えっとー、そのー……」


言いよどむ私を見ながら、くすくすと笑う表情は穏やかで。

そんな魁さんを見て、改めて手の届く場所に彼が居てくれる事に幸せを感じた。