アリスは私を見据えている…が、

みんなはアリスが見えていないようで、私に

「セレナちゃん、帰ろ〜」

と声をかけてくれている子もいる。



え…。

な、なな何…?




「…ごっ、ごめん…先、帰ってて…?」


慌てて言葉を返すとその子は


「わかった!先に帰っとくね」



と素直に帰ってくれた。

なんなんだ…この子。


どう見てもアリスだよね…?




だって、金髪に水色のリボンのカチューシャ、

服は水色で白いエプロン、

エプロンにはハート、ダイヤ、スペード、クローバーの4つの模様…。



誰がどこから見てもアリスだって思うよね?!



「…あ、の、あなた…は?」


恐る恐る声をかける。

いや、なんで私…逃げないの?


なんか足が動かない…。






「…私はアリス。あなたの案内をしに来た」