「あたし、帰るね。」


そう告げたのは、お昼を過ぎてからだった。


「どうして?」


「ほら、一応帰らないといけないし。」


「そんなことないよ。もう少し、ココにいなよ。」


「ダメだよ。そんなの。」


「・・・ヒナがどうしても帰るっていうなら、俺がヒナの家に行く。」


「!?なんでそうなるの?」


「俺はヒナの彼氏だから。いつでもそばにいたいんだ。」


アヤの真っ直ぐな瞳は、あたしの心を射抜く。


いつでも笑顔で、真剣で、そんなアヤに勝てるわけない。


「・・・わかった。」


「ありがと、ヒナ。じゃあ、準備するから待ってて!」


「準備?」


「うん。泊まるからね?」


「泊まるの!?」


「当たり前でしょ、彼氏なんだから。」


いや、彼氏だから当たり前ってことはないと思うけど・・・。


まぁ、いいか。


アヤの思ったことをすぐ口にする癖を、いいなと素直に思えた。


アヤは嘘なんかつかないで、好きなら好き、嫌いなら嫌いって言う。


そういう人になりたいと、切実に思った。