いてもたってもいられなくて、すぐにソコへ向かった。


人ごみを掻き分けて、走る。


アヤに、会える。


ずっと、会いたかった。


もう、会えないと思ってた。


でも、信じてた。


必ず会えるって。


左手で、ネックレスのトップを強く握り締めた。


2年前、アヤがくれたあのシルバーリングは、ネックレスに通して使っていた。


薬指以外の指にはサイズが合わないし、だからといって薬指にははめられなかった。


アヤから、ちゃんと伝えてくれるまで━━━━そう思ってたから。


ねぇ、アヤ。


もう泣かなくていいんだよね?ずっと一緒にいてくれるよね?


アヤ。


アヤ。


何度も何度も、心で名前を呼ぶ。









やっと、たどり着いたその場所は、あたしがずっと避けてきた場所だった。


足がすくむ。前に進めない。


「・・・大丈夫。大丈夫。」


自分に言い聞かせるように、大きく深呼吸をする。


あたしは、アヤに会いに来たんだ。


だから、負けない。







あたしを捨てた両親なんかに。