あれから、2年。真琴とは進む科が違って、顔を合わせることがなくなっていた。
いつのまにか、美紅ちゃんとも連絡を取らなくなっていた。
久しぶりに会うことに、ドキドキしてる。
しかも、あのカフェでなんて、真琴は何を考えてるの・・・?
身だしなみを整えて、すぐにカフェに向かった。
店内には入らないで、入口で真琴を待つ。
・・・はずだったけど、カフェの前では真琴がすでに待っていた。
「遅れてごめんね。」
声をかけると、真琴が振り向いた。
何も変わらない、優しい微笑み。
「ううん。ごめんな、急に呼び出したりして・・・」
「どうせ、家にいても暇だから!で、どうしたの?」
「・・・ヒナは、好きな人いる?」
「え・・・」
突然の質問に、動揺が隠せない。
「いる?」
好きな人・・・なんでそんなこと聞くの?
あたしが好きなのは、好きなのは・・・アヤ・・・
「・・・うん、片思いだけど。」
笑ってみせようと思ったけれど、顔がこわばって上手に笑えなかった。
「そっか。・・・その人に会いたいと思う?」
・・・声さえも出なかった。
どうして真琴が、アヤに会えないことを知っているのか、そもそもアヤのことを知っているのか、何もわからなかった。


