なに・・・これ?


どういうことか、全く理解できない。


アヤが、あたしと一緒にいられないなんて、そんなこと言うわけない。


きっとこれも何かのサプライズだよ。


自分を納得させてから、思い出す。


そうだ、プレゼント・・・


そう思い、一緒に入っていたを箱を開けた。


中には青い小さな箱と、この家の鍵。


アヤは、一本しかない鍵を置いていった・・・


ショックを抑えきれなかったけれど、小さな箱を手に取る。


これって・・・


ゆっくり開けると、中のリングがキラキラと光った。


夕方の弱い光を浴びて、反射するソレは、テレビでしか見たことのない、プロポーズのときに渡すあの青い箱に収まっていた。


・・・そのとき、初めて涙が零れた。


手が震える。足の力が抜ける。





アヤは、消えてしまった。


あたしに、シルバーリングとたくさんの思い出だけを残して。