「!?!?」


「さっきも言ったよね?俺と付き合ってって。」


さっき?


・・・さっきっていつだ?


ん~?・・・あ、初めて会ったときだ!


「思い出した?」


「うん。・・・え?本気で?」


「うん。」


「だって、それこそさっき初めて会ったばかりでしょ?それなのに付き合うの?」


「うん。時間は関係ないよ。俺がヒナを好きだから、付き合ってほしいんだ。」


依然としてアヤの態度は変わらない。


それにしてもよく語る人だなぁ・・・。


でも・・・


「でも、あたしは・・・そんなすぐに好きになったりできないよ。」


「わかってるよ。ヒナはそういう人じゃない。さっき彼にふられたばかりだし、今すぐに好きになってとは言わない。だから、そうだな・・・。」


どうしてあたしがそういう人じゃないって言い切れるのだろう?


「そうだ!おためし彼氏っていうのはどう?」


「おためし彼氏?」


「そう。期限は無期限で。俺をヒナの仮彼氏してよ。」


おためし・・・


この人はきっと悪い人じゃない。それだけは確か。


「・・・いいよ。」


あたしがそう言うとアヤは笑顔で抱きついてきた。


「ありがと、ヒナ!」


久しぶりに感じた、他人の温もりだった。