今日は早く帰ってきて、だなんて甘えるアヤのそばに、すぐに帰りたかったあたしは、講義をいつもより一つ少なく受けて帰ってきた。


それにしても今日のアヤ、可愛かったなぁ・・・


そんなことを考えながら。


鍵は、1本しかないので、アヤに預けている。


だって、あたしが帰ってくる頃、アヤは必ずいてくれるから。


チャイムを鳴らす。いつもの合図。


・・・あれ?


いつもなら、「おかえり」と扉を開けてくれるアヤが出てこない。


まだ、帰ってきてないとか?


試しにドアノブに手をかけると、扉が開いた。


「開いてる・・・」


アヤ、どうかしたのかな。


不安な気持ちが高ぶって、駆け足で靴を脱ぎ、リビングに入ると、パンッとクラッカーの音がした。


「え?え!?」


なに?どういうこと?


軽くパニックになっているあたしの影から、アヤが飛び出してきた。


「お誕生日おめでと!ヒナ!」


「あ・・・」


そのフレーズで思い出した。


今日はあたしの誕生日・・・って、あれ??


壁にかかるカレンダーを確認する。


今日は、17日。


隣の18日には、大きな花丸。それが誕生日の印だったはずだけど・・・?