~Day,5~
目が覚めたとき、アヤはまだベッドの中にいて、あたしを見てた。
「おはよ。」
吐息がかかるくらいの距離で、小さく微笑むアヤ。
「・・・ずっと、見てたの?」
「10分くらい、ね。ヒナの寝顔が可愛すぎて、ベッドから出られなかった。」
「やだー!恥ずかしいんだけど!」
「いいじゃん、俺のヒナなんだから。」
また、恥ずかしい台詞を口にする。
聞いてるこっちが恥ずかしくなるよ!
向きを変えて、アヤに背を向ける。
「なんでそっち向くの?」
「・・・別に。」
答えるのと同時に、後ろから抱きしめられた。
「ずっと一緒にいような。・・・ヒナ、愛してる。」
耳元で囁いたその声が甘くて、優しくて、なんだかくすぐったくて。
「うんっ・・・」
一生、この腕の中にいたい。
目をつむると、いつものアヤの優しい声が聞こえた。
「・・・朝ごはん、何がいい?」
「んーっとね・・・」
その会話はいつのまにか、当たり前になっていた。


