「ヒナ?」


「え?」


隣を見ると、アヤが不安そうな顔をして、あたしを見つめていた。


「悩み事でもあるの?」


「いや、なにもないよ!本当に、なんでもないから!」


ごまかしているのはバレバレのようで、アヤは一段と近づいて額と額をコツンとぶつけた。


「俺はヒナの支えになれてない?」


いつもとは違う弱々しい声が、胸を苦しくさせた。


「そんなこと・・・!」


「俺、ずっとヒナを支えていたい。ずっと隣にいたい。一筋縄じゃいかないこともわかってるけど、ヒナのその笑顔を永遠に守りたいんだ・・・。」


「アヤ・・・。あたしも、アヤのそばにいたいよ。ずっと、永遠に・・・。」


優しいキスをする。


そして、アヤが力いっぱいにあたしを抱きしめた。


「・・・アヤのほうこそ、何かあった?」


聞くと、一瞬だけアヤの身体が反応した。


「ダメだな、俺。ヒナに嘘つけないよ。」


「嘘なんてつかなくていいよ!」


「・・・そうだよね。ありがと、ヒナ。」


珍しく弱気なアヤが、可愛く思えた。