講義のとき、隣に誰かが座った。


いつも誰もあたしの隣には座らないのに・・・と思いながらチラッと横を見て、凍りついた。


隣に座ったのは、真琴があの日連れてきた女の子だった。


間違いない。あの娘だ。


「こんにちは。」


かわいい声。かわいい笑顔。かわいい容姿。


「・・・こんにちは。」


「隣座ってもいいかなぁ?」


「はい。」


「私、如月 美紅。(キサラギ ミク)。ごめんね、まこちゃん横取りして。」


“まこちゃん”


「いえ。」


「あたしが、告白したんだ。で、まこちゃんが陽菜子ちゃんと別れてくれるっていうから。あたし、ふられて終わると思ってたんだよ?でもね、まこちゃ」


「もう、終わったんです。」


「え?」


「真琴とのことは終わったんです。友達です。だから、やめてもらえますか?」


あたしがハッキリ言ったのがそんなに意外だったのか、美紅ちゃんは「そう、ならいいや。バイバーイ。」と言って、友達の隣へ移動した。


・・・腸が煮えくり返る、とはこのことをいうんだと、初めて知った。


要するに、あたしがダメな彼女だったって言いたいんでしょ・・・?


わかってるよ。


そんなこと、とっくにわかってる・・・。