~Day,1~
「ごめん。陽菜子のことは好きだった。」
きっと生涯忘れることのできない、一言。
付き合って4ヶ月記念日のデート。待ち合わせていたカフェに一人じゃなくて、可愛い女の子を連れてきた彼・・・真琴はあたしにこう言った。
あたしはその何も語らない瞳が、好きだった。
優しい太陽みたいな笑顔が、好きだった。
そのすべてが、大好きだった・・・ううん、今も大好き。
でも、彼は違った。
あたしのことは、過去のこと。
好きなんじゃなくて、好きだった。そう言った。
あたしは何も言えないままに、うつむいて。
それをYESと受け取ったのか、彼はその女の子と手をつないで煌く街に消えていった。
ひとり街に取り残されたあたしは、ぼーっと立って。
零れた涙に気づかないままに、彼が消えたあとの街の喧騒を見つめていた。
「ねぇ、俺と付き合わない?」
きっと生涯忘れることのできない、その一言。
きっと二度とない、運命の出逢い。
顔を上げると優しく微笑んでいたその姿は、涙で滲んだ。
きっと、忘れることのできない恋だった━━━━━━━━


